2015/07/28 (Tue) 22:05
<2015年4月5日・新規>
<2015年7月28日・米山反射板の転用を追加>
昭和37年10月の東京-新潟開通時は直江津から米山反射板を介して長岡に繋がっていたが、米山反射板が冬になると積雪が伝搬路を支障する、又は反射板自体が雪に埋もれるという事象が頻発した為、回線品質・稼働率及び作業員の安全確保から、昭和52年10月に小村峠から南に位置する439mピークに無線局を新設、米山反射板は廃止された。
川崎の図書館で偶然見つけた「建設省マイクロ回線(本省回線)20年のあゆみ」によると、昭和52年にルート改良で不要になった米山反射板を譲り受けて改修の上、直江津-柏崎の反射板に転用したという記述が残っている。建設省の反射板として転用された後も積雪で伝搬路が支障する・反射板自体が埋もれるという悪い癖は直らなかったみたいで、昭和56年1月の56雪害で反射板が雪に埋もれて全断が発生したとのことである。その後、時期は不明だが国鉄と同様に小村峠に無線中継所を新設して反射板は廃止、撤去された。
小村峠も冬は雪に閉ざされるため障害発生時には辿り着くのに相当苦労したようである。
廃止後は新潟県の防災行政無線の無線局として活用されている。
専用道路は2011年6月の時点では途中で幅員の半分が崩落していたが、2013年9月に再度訪れたら修復されていた。
目的地に到着。国土交通省の無線中継所の避雷針の多さが雷害対策に苦労していることがよくわかる。
鉄塔は開通当初は屋上に設置されていたが、新潟県が新たに地上に鉄塔を建てた。
米山反射板が建てられた777mピーク、今ではもう辿り着くのは不可能。
撮影:2011年6月、2013年9月
<2015年7月28日・米山反射板の転用を追加>
昭和37年10月の東京-新潟開通時は直江津から米山反射板を介して長岡に繋がっていたが、米山反射板が冬になると積雪が伝搬路を支障する、又は反射板自体が雪に埋もれるという事象が頻発した為、回線品質・稼働率及び作業員の安全確保から、昭和52年10月に小村峠から南に位置する439mピークに無線局を新設、米山反射板は廃止された。
川崎の図書館で偶然見つけた「建設省マイクロ回線(本省回線)20年のあゆみ」によると、昭和52年にルート改良で不要になった米山反射板を譲り受けて改修の上、直江津-柏崎の反射板に転用したという記述が残っている。建設省の反射板として転用された後も積雪で伝搬路が支障する・反射板自体が埋もれるという悪い癖は直らなかったみたいで、昭和56年1月の56雪害で反射板が雪に埋もれて全断が発生したとのことである。その後、時期は不明だが国鉄と同様に小村峠に無線中継所を新設して反射板は廃止、撤去された。
小村峠も冬は雪に閉ざされるため障害発生時には辿り着くのに相当苦労したようである。
廃止後は新潟県の防災行政無線の無線局として活用されている。
専用道路は2011年6月の時点では途中で幅員の半分が崩落していたが、2013年9月に再度訪れたら修復されていた。
目的地に到着。国土交通省の無線中継所の避雷針の多さが雷害対策に苦労していることがよくわかる。
鉄塔は開通当初は屋上に設置されていたが、新潟県が新たに地上に鉄塔を建てた。
米山反射板が建てられた777mピーク、今ではもう辿り着くのは不可能。
撮影:2011年6月、2013年9月
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Comment
鉄塔が建て替えられた姿を見て
今回も楽しく読ませて貰いました。ありがとうございます。
鉄塔を建て替えるケースはよく見かけますよね。
いつも思うのは、電電公社と建設省はオーバースペック、それも当時からするととんでもないオーバースペックの鉄塔を昭和30年代、40年代に設計、建築しているのに対して、国鉄、警察庁、自治体などは、その時点での必要最低限と思えるものを建設しました。担当者や組織の設計思想が読み取れます。昭和末期に至ってもその思想で作られていると思われるものが少なくありません。電力はその中間当たりに位置しているように感じられます。
単純に組織の体質?と懐具合?が反映されているのかもしれません。が、それを差し引いても今から過去を振り返ると、こういう写真を見ると彼らは先見の明があったなぁと思うことがあります。昭和30年代に建てられ50年以上が経過しても外見上はまだまだ使えそうなものばかりです。マイクロ多重回線が華やかだった昭和末期頃でも設置容量が足りていた記憶があります。
それに倒して、概して他のものはまだ構造物としての設計寿命があるだろうにもかかわらず、昭和末期から、あるいは平成に入ってから鉄塔を建て替えられています。建て替えざるを得ない状況に追い込まれたのだろうと、その状況や理由が見ていて理解できます。
まぁ、後からの評論はフェアではないし、実際のところどちらが経済的だったかは分かりません。それ以外の観点でも見方でも善し悪しが分かれるところでしょうから、どちらが得策だったかと論じるつもりはないです。ただ単純に、こういう写真を見ると、先人達の苦労、苦悩?、ものの考え方が想像できて感慨深くなるのでした。
長文、すんません。
鉄塔を建て替えるケースはよく見かけますよね。
いつも思うのは、電電公社と建設省はオーバースペック、それも当時からするととんでもないオーバースペックの鉄塔を昭和30年代、40年代に設計、建築しているのに対して、国鉄、警察庁、自治体などは、その時点での必要最低限と思えるものを建設しました。担当者や組織の設計思想が読み取れます。昭和末期に至ってもその思想で作られていると思われるものが少なくありません。電力はその中間当たりに位置しているように感じられます。
単純に組織の体質?と懐具合?が反映されているのかもしれません。が、それを差し引いても今から過去を振り返ると、こういう写真を見ると彼らは先見の明があったなぁと思うことがあります。昭和30年代に建てられ50年以上が経過しても外見上はまだまだ使えそうなものばかりです。マイクロ多重回線が華やかだった昭和末期頃でも設置容量が足りていた記憶があります。
それに倒して、概して他のものはまだ構造物としての設計寿命があるだろうにもかかわらず、昭和末期から、あるいは平成に入ってから鉄塔を建て替えられています。建て替えざるを得ない状況に追い込まれたのだろうと、その状況や理由が見ていて理解できます。
まぁ、後からの評論はフェアではないし、実際のところどちらが経済的だったかは分かりません。それ以外の観点でも見方でも善し悪しが分かれるところでしょうから、どちらが得策だったかと論じるつもりはないです。ただ単純に、こういう写真を見ると、先人達の苦労、苦悩?、ものの考え方が想像できて感慨深くなるのでした。
長文、すんません。
Re:鉄塔が建て替えられた姿を見て
毎度ありがとうございます。
国鉄に関しましては昭和30年代までは、反射板を多用する・無線局間を長くする・無線局を駅の近くに設置するという考え方で整備してきましたが、やりたくてやったわけではないようでやはりお金の面で制約があってそうせざる得ない事情があったようです。
現に範囲は定かでは有りませんが5年間の分割払いを採用していたことから通信設備の近代化を進めたいという国鉄の意図がわかります。
残念ながら時代が設備を追い越すのが早くて、昭和40年代以降からは新設区間はできるだけ反射板を使わない置局になって、既設区間は回線品質が極端に悪い区間を改良しました。既設区間の扱いを見ると国鉄の懐事情の悪さが伺えます。
日立評論に掲載されている中部電力の3枚反射板や通信物語さんの記事を見ていると電電以外は似たような事情かなと思ってみたり…
国鉄の懐事情の悪さは他所とは別ですが。
回線で稼ぐところとそうでないところの違いでしょうか。
国鉄に関しましては昭和30年代までは、反射板を多用する・無線局間を長くする・無線局を駅の近くに設置するという考え方で整備してきましたが、やりたくてやったわけではないようでやはりお金の面で制約があってそうせざる得ない事情があったようです。
現に範囲は定かでは有りませんが5年間の分割払いを採用していたことから通信設備の近代化を進めたいという国鉄の意図がわかります。
残念ながら時代が設備を追い越すのが早くて、昭和40年代以降からは新設区間はできるだけ反射板を使わない置局になって、既設区間は回線品質が極端に悪い区間を改良しました。既設区間の扱いを見ると国鉄の懐事情の悪さが伺えます。
日立評論に掲載されている中部電力の3枚反射板や通信物語さんの記事を見ていると電電以外は似たような事情かなと思ってみたり…
国鉄の懐事情の悪さは他所とは別ですが。
回線で稼ぐところとそうでないところの違いでしょうか。
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